『秋花の剪定、剪定後の施肥と灌水』
講師 星隈 秀雄
剪定
・剪定に不要な弱小枝、込み合った枝、古い幹などを選定前に切除。剪定する幹・枝は鉛筆(7~8mm)以上の太さが良い。
・剪定する幹・枝の段では、ベイサルシュートからの幹は、原則として3、4段目を選定するとしているが、4段目では高すぎる場合がある。
・ベイサルシュートは若くて樹液の流れも良く、良い花が咲く。
・剪定位置は、5枚葉の付け根にある良い芽の5~8mm上の葉柄と平行に斜めに切除すること。植物園では芽から約3cm程上で切除しているが、枯れこんでくるので注意すること。
・剪定日は、秋のバラ展を1週間遅らせているので、従来より遅くする必要がある。但し、今年は温度が高い状況が続いているので開花までの見込み日数が短くなることが考えられる(バラは積算温度で咲く)。剪定日を少しずらすことを考えてほしい。
・剪定位置から下に葉が無くなった場合は、幹・枝を倒したり、折ったりする方法もあり、元気な株ではお勧めする。
施肥
・地植えでは夏の元肥を与えているので特に必要ないが、芽出し肥として、速効性化成 肥料を1本に10~15g程度与える。
・鉢植えは10月上旬まで液肥の1000倍液を1週間に1回与えること。
切り戻し
・剪定位置より下から強い芽が出た場合は切り戻しを行う。
・剪定して芽が動かないことがあるが、この場合は葉を付け根からもぎ取ったりするこ とで芽が動き出す。
灌水
・秋は秋雨前線などで割合に雨が降るが、雨が少ない場合はたっぷりと与えること。但し、バラ展(開花)の2~3週間前からは与えない方が良花が得られる。
薬剤散布
・台風では泥が巻き上げられ葉につきやすい。この場合黒星病が発生するので、台風後に黒星病に効く殺菌剤で消毒すること。
・アザミウマ対策などで薬剤散布する場合、葉がでる前は普通の濃度とし、葉が出た後は濃度を薄くし、さっと散布するようにすること。
芽かき
・秋にはあまり無いと思うが、芽かきにより仕立てる花枝の太さを調節することができる。また、わき芽・副らいは早く取り除くこと。
花枝・花首直し・葉の傾き直し
・花に雨が当たるとシミができる。雨傘で覆う等の工夫が必要である。また、花枝が傾いても葉は水平になるので添え木などで修正する必要がある。
その他
・花が咲くとマグネシウム(Mg)を多く必要とするので適宜補給すること。
・台風対策として、安全の確保及び葉を1枚でも多く残すことに心掛けて欲しい。
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『バラ園にて剪定実習』
講師 星隈 秀雄
・丸っこくふっくらした芽が良い芽なのでよく見極めること。
・剪定の位置は、半分から2/3位の位置で行うのがよい。また、混み合った枝や細い 枝を除去し光が当たるようにすること。
・剪定バサミは、受け刃を上にして使用すること。また、適宜ハサミを消毒すること。
・温度が下がってきたこの時期は、台風・長雨にあうと黒星病が蔓延するので、雨が上がったら消毒すること。
・バラ園の株は下の方の葉が無くなっている。こうなると剪定も難しいので、まずはこうならないように育てることが重要である。上の方に葉が多く残っている場合は折り曲げて芽を出す方法もある。
以下、株ごとの説明
・ロイヤルハイネス
株の下の方に葉が無く、剪定箇所も無いので軽く上を切る程度とした。
・ジェミニ
ロイヤルハイネスより葉が残っているので選定作業を行った。芽が無い場合があるので、良く芽を見て剪定すること。芽出しハサミの使用方法の説明があった。
・ウエディングベルズ
ガンシュが発生していた.
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