月々の手入れ『7月下旬から8月下旬の手入れ』
講師 星隈秀雄
月 例 研 究 会
令和7年7月19日
7月下旬から8月下旬の手入れ
梅雨が明け、厳しい猛暑からバラを守り続け、剪定まで葉を落とさないように努めましょう。
〔対策〕
1、地温を下げ、土壌水分の蒸発を防ぐ為、マルチングを厚めに施す。可能であれば遮光ネットを張る。
2、1週間以上雨が降らず、土壌が乾燥していれば、潅水(薄い液肥でもよい)をたっぷり与える。
3、梅雨の長雨で肥料分が流失し土壌表面が硬くなって乾燥したら雨を弾き浸透しなくなっているなら、化成肥料をばら撒き表面を軽く中耕する。
4、定期消毒(黒星病・うどんこ病・ハダニ・アザミウマ)の継続。特に乾燥してハダニやアザミウマが繁殖すると駆除不可能になるので注意。消毒濃度を少し薄めにする。
殺ダニ剤は、(卵・若虫・成虫) (速効性・遅効性)薬剤に特性があります。
・ダニに効果のある薬剤
コロマイト水和剤・ダニトロン・カスケード・・ダニサラバフロアブル・アグリメック・マイトコーネフロアブル(ダニ太郎)・バロック・コテツ・ダニカット・ペンタック水和剤
新しくはダブルフィースフロアブル(ダニコングフロアブル+ダニトロン)・ダニオーテ
・アザミウマ効果のある薬剤
アグリメック・ディアナSC・プリオフロアブル・アファーム乳剤・ダントツ・アクタラ・カスケード・モスピラン・オルトラン水和剤・スタークル顆粒水和剤・スピノエース
※特にダニとアザミウマは夏高温期には、卵から成虫になる生育サイクルが短いので適期に早めの消毒を行い拡大したいように努める。高温薬害に注意。
5、秋剪定までに不要な枝を整理して、風透し・日当たりを良くし、消毒液が付着しやすいように努める。秋剪定を予定している枝は、摘蕾を行い剪定芽が動かないように上部3枚葉でピンチを繰り返す。
ハダニについて
作物に害をもたらすハダニの中で、最もよくしれているのはクモダニ(一般的にクモダモ、ナミハダニの二種類)です。繁殖スピードが非常に早いため、短期間で甚大な被害をもたらします。
ハダニは、針のような口で植物の組織を突き刺して葉汁を吸収します。大きなコロニーを形成すると、くもの巣状の糸で植物全体をおおって、その上を自在に動きまわります。
ハダニのライフサイクル
ふたつの斑点をもつハダニのメスは、1日に10~20個のタマゴを産み、4週間の生涯のあいだに合計80~120個のタマゴを産みます。タマゴは3~15日後に6本足の幼虫に孵化します。4~5のうちに3回脱皮を繰りかえし、第二若虫、第二若へと変体し成虫になります。幼体も成虫も8本の足を持ちます。
夏気温が上昇すると、このライフサイクルが加速(短い日数)します。
初期の症状
発生初期には、葉の主脈と太い葉脈の周りに黄色がかった小さな白い斑点が現れます。次第に斑点が増えてつながり大きくなると、空洞になった細胞のエリアが白や透明な銀色に見えます。
対策や駆除
蔓延を防ぐ為には、温度を25℃以下、湿度を60%以上に保つ事が大事になります。
シリンジ(葉裏に水を掛けと事)も有効ですが、黒星病に掛かっていないが大前提になります。
後は殺ダニ剤を短期集中でローテーション散布を行ってください。
福岡バラ会のバラ栽培研究会 月々の手入れ34ページを参照願います。
アザミウマについて
アザミウマは体長1~2mm程度の小さな昆虫で、主に花の中や土の中などで生活し、主に花粉を餌とする昆虫です。種類としてはヒラズハナアザミウマや外来種のミカンキイロアザミウマやミナミキイロアザミウマなど駆除しずらいアザミウマが近年広がっています。
アザミウマのライフサイクル
生態については卵→幼虫→蛹→成虫のサイクルで、卵は花弁の蕾の中に産み付けられます。
一つの雌が300~500個産みます。生存期間は50日位ですが、1サイクル(卵期から成虫期までは)は10日~20日程度(20℃~25℃の環境下)ですので、爆発的に繁殖していきます。
また、夏気温が上昇すると、このライフサイクルが加速(短い日数)します。
バラは花先が米粒大の頃卵が産み付けられ孵化幼虫になり花粉を餌にします。花が奇形やシミが発生し綺麗な花が咲きません。
幼虫が土に落下し、蛹になります。成虫になって再び花に寄生して産卵します。
対策や駆除
アザミウマの居る花は、早めに摘み取って処分する。圃場のは絶対捨てない。
夏場は不用意に花は咲かせない。
防除はかなり難しい。薬液が掛かり難い場所にいる。(花の中)
対応としては、花の蕾が小さい時、産卵されないように、上から蕾に向かって散布を数日間隔で行うと効果的です。
JAさがえ西村山 寒河江ばら部会 (参考資料)
_____________________________________________________________________________
テーマ別講習『山梨・姫野ばら園八ヶ岳農場とバラ園めぐり』
報告者 星隈 秀雄
5月31日(土)~6月2日(月)熊本ばら会の正村正輝 様の企画で福岡バラ会からも、小森悦子、池田静代、杉本佳子、私4名参加させて頂きました。
熊本ばら会から21名、総勢25名の参加でした。正村さんが傷病中の為、参加がかなわなく残念だった事でしょう。全員をまとめ引率頂いた菱刈ゆかり様、大変お疲れ様でした。感謝申し上げます。熊本ばら会の皆様にはお世話になり、ありがとうございました。
5月31日
河口湖・音楽と森の美術館
当日は雨で視界も悪かったのですが、少しの時間、富士山が見えてくれました。最高。
音楽や音楽家の名前が付いたバラが一杯ありました。
まだ例年に比べて花も硬かったので、背景が良いので、もう一度天気の良い日に来たいと思った。
6月1日
ハイジの村
入口エントランス苗販売
ハート型可愛い
ハイジの村名物 日本一長いバラの回廊230m
ここの周辺がバラエリアになっていた
高速しんわの丘ローズガーデン
絶景のアルプスを背景に自然と調和したローズガーデン
バラの種類 約270種
バラの本数 約3000本
総 面 積 10,446㎡
標 高 830m
奥のアルプス連峰が見えてなくて残念!
6月2日
姫野ばら園八ヶ岳農場
私は八ヶ岳のふもとに美しいローズガーデンが広がりと苗木販売も行われているかと思っていました。看板にも張ってありましたが、当圃場では、一般小売販売はおこなっていません。見学はご自由にどうぞと書いてありました。事前に見学伺う事は連絡済みでしたので、姫野様が案内頂き自由に見学し、皆様品定めし多くの苗木購入予約をされていました。
私は自宅に植えるところも無く、衝動買いを我慢して、多くのハウス内や外部圃場を見学していたら、まだ苗木なのに発色の良い『あけぼの』に出会いましたが我慢。
 |
あけぼの |
 |
ダスキンメイアン |
 |
ピカソ |
 |
ハウス内の苗木 |
 |
サマー ホルムズ |
 |
外部の圃場の苗木
|
 |
姫野ばら園八ヶ岳農場にて |
みなさんお疲れ様でした。楽しい思い出になりました。また機会があれが参加して九州バラ地区のバラの輪を広げていきましょう。