『春花の剪定』
講師 星隈 秀雄
(「月々の手入れ」p1~2参照)
・立春になると根が動き出す。地植えの場合、芽より先に根が動き出し白根が出てくる。そうすると樹液が流動し始める。剪定は2月初旬~中旬が適期で、剪定後しばらくすると、2月末~3月には芽が出てくる。剪定をしないと全ての芽が動き出す。
Ⅰ.HTの剪定
1.剪定に関する留意事項
・剪定をしないと株全体が盛り上がってしまうので絞り込む必要がある。
- 強剪定:枝の高さを低く枝数を少なくし、新しい枝(ステム)を伸ばす。
- 弱選定:上記の逆で、悪い点は株の下部が木化することである。木化すると新たなシュートが出にくくなるので、新しく出る枝の樹液の流れを良くし株を元気にすること。そうすれば、木化の下からシュートが出てくるのでそのシュートを育てること。
- 秋バラは剪定時期によって咲く時期がずれるが、春花は剪定が1カ月ずれても咲く時期は1週間も違わない。
- 2年以上経過していても老化していなければ残してよい。また、剪定を1回で行う人もいる。5枚葉が上から1~2枚より上では残していても直ぐに芽が動いて花が咲くのでそこより下で、シュートの付けねから10cm~20cmの間ぐらいのところで剪定する。
- カチンと音がするのは株が充実し木質部が厚くなっているからである。
- 樹勢が強い品種は、深く切ると暴れる場合がある。ただし、あまり気にする必要もない。
- 剪定時期は、自分は2月10日頃剪定している。
2.剪定の要領
(1)剪定
・どの枝が丈夫で強くなっているか見分けること。秋にシッカリと咲いた枝は良い枝である。
・剪定を繰り返していると年々剪定位置が高くなってくるので、下げる努力をすること。
・古い枝の下の方(木化した部分)にも芽が残っている。以前、葉が付いていた所には線が残っている。その線の上に芽が残っている。
・秋より春の方が花の数は減る。
・強剪定をするとシュートが出やすくなる。
(2)剪定位置
・芽が伸びる方向を考え枝が交差しないように選ぶこと。
・横張り性の品種では内芽で切った方が真っ直ぐに伸びる。
・鉢植えは、株元から20cm位の高さで切り、ミニバラでは3cm位出ていれば良い。
・ハサミ、革手袋、ノコギリ、トップジンMペースト(大きな株の切り口に使用)を準備する。
Ⅱ.HT以外のバラの剪定
1.FL(フロリバンダローズ)
・自分の場合は強剪定を行っている。弱剪定の場合は、1つの枝に咲く花数が少ないが、強剪定では1つの枝に10以上の花が咲く。脇からも芽が出てくる。株を全体的に見れば、強剪定と弱剪定では花の数はそう違わない。
2.Min(ミニチュアローズ)
・細い枝を残しすぎないように強剪定する。
3~5.S(シュラブローズ)、ER(イングリッシュローズ)、OR(オールドローズ)
・品種によって剪定方法が異なるので注意すること。
6.CL(クライミングローズ、つるバラ)
・早め(12月頃)に剪定すること。その方が曲げやすい。
Ⅲ・Ⅳ.施肥・かん水
・しない。
その他
・鉢植えは、12月に鉢替えを行うと芽が動くので、本剪定する位置より上でカットし、鉢替え後に本剪定を2月に行うこと。
・ナックルカットは、拳状のふくらみにある副芽のすぐ上で切るが、その場合、芽がいっぱい出てくるので芽かきを行うことが重要である。
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『座談会』
今回は単に3班に分かれて行われた。私が参加した班では、各会員からの種々の質問(鉢替え後の肥料のやり方、消毒薬の種類、消毒液の散布方法、ツルバラの誘引等)に対して副会長から説明が行われ、各人の疑問点の解消につながった。
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『バラ園にて剪定実習』
講師 星隈 秀雄
植物園内に福岡バラ会で管理しているバラ4株を対象に実習が行われた。
・バラの種類は、HTとFuの2種類で1本ずつ説明と実習が行われた。
・まず、勢いがある枝、勢いが弱い枝そして他の枝の邪魔になる枝の見分け方及び良い芽の見分け方の説明があり、その後勢いがある枝だけ残し、ひざの高さの位置で剪実習が行われた。
・剪定に併せて、枝の充実具合の実例として、切断面を見せてもらい木質部の充実状況を見ることが出来た。
・古い株などの木化しているところでは、以前葉が付いていた跡が線状に残っている実例を見せてもらい、その部分に未だ芽が残っているのでそこの上で剪定すると芽が動き出すとの説明があった。しかし、いざ実際に自分で剪定するとなると、実行できるか自信がないように思った。
・福岡バラ会で管理しているバラの周辺には、植物園で管理しているバラが沢山あり、既に選定作業が終わっている状況を観察して、枝の残し方、剪定位置等について多くの改善点がある旨の説明があり大変参考になった。
(1月は野田が担当しました。)