3月 講習会(今回から新しい会場(ボタニカルライフスクエア)で行われた)
月々の手入れ 『春花枝の仕立て方』
講師 星隈 秀雄
(「月々の手入れ」p5~6参照)
Ⅰ.花枝を仕立てる手順
1. 切り戻しと芽欠き
・上部の芽の伸びが悪い場合は、下の良い芽まで切り戻す。
・副芽は早めに取る、頂芽が10cm~15cmまでが限度である。特に節のところから多くの芽がでるので注意する必要がある。
2.不良枝などの処理
・出開き、ブライドは取り除く。
3.花枝の整理
・庭バラや飾り花として咲かせる場合は、残した芽の全部を伸ばして花枝にして咲かせてよい。
・コンテスト花として咲かせる場合は、花枝の1本を摘芯して減らす。そうすることにより残した花枝が太くなる。
・主蕾と副蕾があるので副蕾は取り除く。
Ⅱ.良い花枝の仕立て
・副らいや脇芽は取り除く。
・コンテストに出す場合は、傾いた花枝や葉は直す。なお、花茎を直おす場合は、添木をクイックタイで固定するよりも、ラセン条に巻く方が良い。固定すると逆に曲がる場合があるので注意する。
Ⅲ.薬剤散布
・4月上旬から1.5~2倍ほど薄い液を7~10日ごとに散布する。中旬以降、開花前までは通常の濃度で同様に散布する。
Ⅳ.施肥
・開花するまではしない。5月にお礼肥を与えること。今の時期に与えると花があばれる。
・できるだけ木に葉を残すようにする。葉がないと木が弱る。
Ⅴ.かん水
・4月中旬までは降雨量も考えて過不足にならないように与える。下旬からかん水量を減らし、開花の2~3週間まえには中止する。なお、鉢植えは表面が乾いたら与えるようにするが、勢い良く水を与えると、水みちが出来ることがあるので注意する。
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『座談会』
今回は単に2班に分かれて行われ、今後のバラ展が新しい会場での開催となるため、新しい会場での開催レイアウト案について説明があり、今後意見を募り詰めていきたいとの協力依頼があった。また、次回バラ展では香の花のコーナーを設ける予定なので花の持ち寄り依頼もあった。
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『鉢栽培について(新苗の育て方)』
講師 江上 志郎司
1. 薔薇の分類
・薔薇の分類として、年代による薔薇の分類(オールドローズ、モダンローズ)、系統別分類(ハイブリッド・ティーローズ等)、樹形による分類(ブッシュ・ローズ等)、そして花形による分類(剣弁高芯咲き等)があるとの説明があった。説明の中で、次の2点が印象に残りました。
・現代バラの母と呼ばれるナポレオン1世の皇后ジョセフィーヌは、皇帝の館マルメゾンに専門家を集めバラの改良を進めなど現代バラの誕生に最大の貢献者として活動した。皇ナポレオン没後そこで働いていた専門家たちがそれぞれ故郷に帰り現代バラの改良・育種が進められた。
・イングリッシュローズは、デリバールと同様に商標登録された名前の1つであり、分類としてはシュラブ・ローズにはいる。
2.新苗の育て方
・それぞれの環境に合わせて形は変わるが、基本は1つである。毎年きれいな花を咲かせるには、「肥料、水かけ、消毒、ピンチ、芽欠き、剪定」について基本的な知識が必要である。これらの知識は、1年間新苗を育てることで概ね吸収することができる。
・苗は、節間のつまった、健康な苗を選ぶこと。
・鉢は、7号~10号排水性の良いスリット鉢やバラ専用鉢が良い。
・用土は、保水性、排水性、通気性及び保肥性に優れた土(土の構造が団粒構造)
※市販のバラ培養土を使用する場合は、赤玉土(中、小粒)を3~4割程度混入すると良い土になる。
※オリジナル培養土(基本素材)の場合は、赤玉土を50%以上使い、有機繊維質(堆肥、腐葉土)及び軽石(鹿沼土、ボラ土(日向土:商品名)を使用する。
※日本は、多湿になることが多いので特に通気性が大事である。植込時に余分な力を入れないようすること。
・鉢の置き場所は、日当たり・風通しが良いところ。但し、直接土やコンクリートの上には置かないようにする。
・固形肥料は、植付10日後から月に1度規定量を与える。液肥の場合は、根が未だ動かないので、植付後20日程(2~3週間後)してから与える。
・水遣りは、朝の涼しい内に鉢の表面が乾いたら、たっぷりと与える。バラの根は、乾湿を繰り返すことで生長する。与えすぎると成長を妨げる。
・消毒は、残念ながらHTの栽培に欠かせない。7日~10日間隔で予防薬を散布し、うどん粉病等に罹患したら治療薬を散布する。
3.新苗の植え付け実習
講師オリジナルの培養土を使用して、7号鉢と10号鉢にペットボトル3本を入れた2ケース行われた。鉢の底の方に粗めの土を入れるため、培養土を混ぜながら粗めの土を分離する方法の実演や、ウォータースペースが、自分で行うより深めの5cmほど取られていることが印象に残りました。
(3月は野田が担当しました。)