2022/05/26

5月 講習会

『 花枝の処理、お礼肥、シュートの処理』

講師 星隈 秀雄

花枝の処理

・バラは低木の木、花が咲いた後の手入れ(特に5月~7月の3カ月)が重要。

・先柄花を取るときはウイルスの伝染を防ぐためハサミではなく手で行うこと。

・木を衰えさせないコツは葉をできるだけ残し樹液の流れを維持すること。次々に枝を切ったら木は衰える。葉が無くては養分を根から吸い上げ無くなって肥料をやっても効果は無い。

・2番花を咲かせない場合は、花を取るだけにし、その後下の5枚葉から出る脇芽を全てとること(取らないと直ぐに花芽がでる)。そうすることで下からシュートが出やすくなる。2番花を咲かせる場合は、花の下の5枚葉を1~2枚含めて切りとる。但し、全ての枝で2番花を咲かせたり2番花以降も花を咲かせるとバラが弱るので避けること。

お礼肥

・お礼肥を与えること。但し、有機肥料の場合臭いが出る可能性があるので化成肥料が良い。雨が降らない時期だと一度液肥を与えると良い。

・肥料は木の成長を助けるだけであり、木の力が無いときは効果は期待出来ない。

シュートの処理

・ベイサルシュートは秋や来年春の花枝となる。地面から10~20cm位伸びたとき(つま楊枝の先くらい)1回目のピンチを行いその後5枚葉が7枚程揃ったところで2回目のピンチを行う。3回目も同様に行う。葉が多くついた枝では良い花が咲く。

・フロリバンダの場合は、1段目のピンチは行うこと。

・脇芽は全て取ること。

その他

・5月下旬から灌水を十分行うこと。

・消毒間隔が2週間くらい経つと病気が出てくる。開花後ほって置くと一気に病気が広がるので早めに消毒し、5月~7月を乗り越えること。

・梅雨前にマルチングを行うと良い。バーク堆肥、腐葉土、落ち葉等(肥料分のない自然に腐るもの)を5~10cmほど撒く。腐食に伴い土が団粒構造になりフカフカになる。また、泥はねを防ぐ効果があり、木が丈夫になるとともに病気を防いでくれる。さらに、根の張りが良くなることから肥料よりも効果がある。但し、腐食の進んでいないものは土の中には入れないこと。

・新苗を植える場合、最低50~60cmの大きさ深さの穴が必要である。出来れば、80cmほど欲しい。


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『座談会』(初の試み)

・今後の講習会を効率的に実施するための各会員の栽培環境の聞き取り調査。

3班に分かれて各会員の、経験年数、栽培場所、栽培本数、地植と鉢植の数、バラの種類別本数等についての聞き取り調査。

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『病害虫対策・薬剤散布』

講師 藤内 正隆

病害虫対策・薬剤散布

・1~2月の休眠期に石灰硫黄合剤やマシン油で防除する。

・カイガラムシの場合は物理的にこさぎ落としマシン油をかける。

・3~5月(萌芽期)には防除が足りないと先ずアブラムシが出る。

・薬剤としてはオルトラン粒剤、ダントツ粒剤を撒くと効果がある。根から吸収され効果は、3週間~1カ月継続する。その後5月、梅雨の頃に撒くと害虫はかなり減る。

・ダントツ粒剤は農協で手に入るが、店頭には置いてないので店員に注文すること。

・ダントツ粒剤は甲殻類(コガネムシ、カメムシ等)にも効果あり。但し、ヨーロッパでは使用禁止、日本では使用できる期間が限定されている。(ミツバチを忌避させる効果があるため)

・薬剤の使用回数制限については、バラは食品ではないのでそれほど神経質に厳密に守る必要はない。また、使用期限が来ても直ぐに効果が無くなるわけではないのでこれもそれほど神経質になる必要はない。但し、ダニは抵抗性が強く少しでも残ると爆発的に増殖するので各種の薬剤をローテーションを組んで使用すること。

・散布濃度は、濃くするよりも薄くして葉の裏まで散布すること。

・地面に散布しても表面だけしか効果がないのでバラを守るためには粒剤を使用すること。粒剤は飛んでくる虫にも効果がある。

・薬剤は、ホームセンターよりも農協の方が安い。但し、量は多い。

・スミチオンはキング製が安い。

・薬剤は殺虫剤を基本にして殺菌剤を混合して散布すること。展着剤は少量でよい。

・栽培本数が少ない場合は、スプレータイプ(1000ml)で良い。無くなったら自分で薬剤を調合して再利用できる。

・配布した総合ガイドに薬の種類等が出ているので参考にすること。

・梅雨時期は雨が多いが、病気を防ぐためには多少の雨でも散布すること。

・基本は、地面に堆肥等でマルチングし、風通しを良くし栽培環境を良くすることが大事である。


(5月は野田が担当しました。)